たとえ高齢になっても困らない足づくり!

日本は、超高齢者社会を迎えています。
誰でもいずれは高齢者と呼ばれる時代が来ます。
元気であればピンとこないのが本音だと思います。
ともあれ、現実的に考えれば、いつかは・・・
どこかに出掛ける時に誰かに付き添ってもらわなければならない
家の中でもトイレに行くのに誰かの手を借りなければ歩けない
布団からすぐに立ち上がれない
入院して足腰が急に弱くなり、それをきっかけに歩くのが怖くなり、ますます歩けなくなってしまう
今まで自然に出来ていたことが出来なくなるなんて、絶対嫌ですよね!
でも、安心してください。
こんな現象がいきなり現れることはありません。

 

 

ロコモティブシンドロームという言葉をご存知でしょうか?
ロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)
骨や関節、筋肉などの運動器の衰えが原因で、歩行や立ち座りなどの日常生活に障害をきたしている状態のことをいい、進行すると要介護や寝たきりになるリスクが高くなります。
健康な状態から、寝たきりまでのプロセスは、

・運動習慣のない生活

・活動量の低下

・痩せすぎと肥満

・スポーツのやりすぎや事故によるケガ

・痛みやだるさの放置

とされています。

 

つまり、これはどの世代でも当てはまる要因です。
大切なことは、些細な事だと放置してしまわないことです。
若い時のケガなども、のちに加齢による筋力や体力の低下が加わることで、要支援や要介護のリスクが上昇すると言われています。
ですから、どの世代においても、足の悩みは放置しないことが重要です。
たとえ、疾患として完治しないものであっても、その状態でバランスよく身体を使えるようにしておくことが大切です。

 

すべての高齢者が元気であることが、日本の未来を救うのだと思います(少々話がデカいですが)。

そして、そのための準備を、今から始めることをおススメします。

 

目次
1.元気なうちに正しい知識を身につけておく
2.健康を考えるなら、足からがおススメ
3.足のお悩みは、こうして増えていく。
4.まずは、自分の足のサイズと特長を知っておく
5.靴選びは、デザインより履き心地、自分に合う靴の履き心地を追求する
6.靴には、正しい履き方と脱ぎ方がある
7.より心地よい靴にするインソールの話
8.足の使い方で歩き方を変える
9.体のバランスを整えるストレッチ&スロトレ
10.フットケアは、一生もの。だから自分に必要な引出しを作っておく

 

 

1.元気なうちに正しい知識を身につけておく

今や情報化社会、テレビや新聞雑誌、ネットには、とてもたくさんの健康情報が掲載されています。
その中で、自分に必要なものは、何なのか。
人からのススメであっても、自分に合わないものは、さっさと捨てることが大事です。
そして、あらゆる健康情報のうち、一番必要だと思うものを吟味して試すことも大事です。

 

 

2.健康を考えるなら、まず足からがおススメ

どこから健康を考えようかと迷ったなら、まず足から考えることをおススメします。
なぜなら、どんな状態でも、人は歩かなければならないからです。
私は外出が苦手という方でも、家の中で歩かないわけにはいきません。
まして、トイレに行くのに一人で行けなかったら大変ですね。
その前に布団から立ち上がることが出来ないかもしれません。
今後は、独居の高齢者も増えてきます。
1人暮らしで体力も落ちてきたら、助けを呼ぶにも歩かなければなりません。
まずは、足の健康を考えるのがおススメです。
ここでお話しする足の健康は、オギャーと生まれ、初めて歩き始めた時から自然にやって、誰にも教えてもらわなかったこと。
足に合う構造の良い靴を履き、正しい歩き方を学ぶ。
そして、その歩き方を保持できるように足を柔軟にするトレーニングです。
本当に皆さんが、何も考えずやってきたことです。
しかし、何も考えず、誰からも正しい知識を教わらずに来たために、今、足の悩みを抱えている方が増えているのです。

 

 

3.足のお悩みは、こうして増えていく。

例えば、靴選び。
これは、足のサイズがわからないと本当は選べません。
でも、ほとんどの方は、なんとなくという感覚、痛くないという感覚、デザインが好きという感覚だけで選んでいます。
それは、足のサイズの測る機会がないから当然です。
赤ちゃんの時も学校の時も、他の計測はするのに、足の計測はしないのです。
実は小学生の外反母趾やハンマートーなど、大人と同じような足の疾患が増えています。
今は、子ども専門の靴屋さんも増えましたが、昔は、成長期には、少し大き目の靴を履かせるのが当たり前でした。
私も長靴の先にティッシュを詰めた靴を履いていた思い出があります。
一生の足の形が、子どもの成長期に決まってしまうなんて知識がなかった時代ですから仕方がないですが。
若い世代なら、デパートで計測をして、サイズの合った靴で育った方もいらっしゃるかもしれません。
でも、学生を卒業して、パンプスを履くようになると、またここで足を痛める人が続出します。
特に女性は、おしゃれをしたい年頃なので、デザイン重視で選び、多少足が痛くても「おしゃれは、我慢!」と痛いのを我慢してオシャレを楽しんだ方も多いことでしょう。
そのため外反母趾になる方が多くいらっしゃったので、外反母趾は、パンプスのせいと思っている方が多いです。
申し訳ありません、それは間違った知識です。
そもそも、パンプスは、他の靴と違い、ピッタリしていなければならないのです。
そのピッタリ感が、キツイと勘違いされ、いつもの靴選びと同様に、足のサイズや足の形など、考慮せず選ぶから、足を痛めてしまうのです。
また、パンプスは、ヒールが細く、高いほど重心の取り方が難しくなります。
そこを意識せず、普段の歩き方で歩くと、重心が足の先にかかり、痛みが出てしまうのです。
パンプスを履きこなすためには、サイズの合った靴を履きこなすことが必要なのです。
逆に、パンプスやヒールなんて縁がないのに、外反母趾になったという方は、サイズが大きすぎる靴を履いている可能性があります。
足に余裕がありすぎて、歩くたび足が靴の中で安定しないから靴にぶつかり関節が変形してしまうのです。
また、せっかくスニーカーを履いているのに、紐を緩めて履かれているのを多く見かけますが、これも同じ理由で足を痛める原因になります。
いずれにしても、足がしっかりしていると、どんな靴も履きこなせますが、足が弱くなってくると、同じ靴を履いても痛みがでたりします。
そうなった時は、迷わず、サイズ計測をして靴を変えましょう。

 

 

4.まずは、自分の足のサイズと特長を知っておく

靴選びのための足のサイズは、代表的なものが3つあります。
① 「足長(そくちょう)」タテのサイズ
これが靴のサイズの代表的な基準になります。
ご自身で測りたいときは、四角いやや重い箱を準備して、柱にかかとを付けて立ちます。
(柱を背にして身長を測るような感じです)、次に四角い箱を柱と平行になるように一番長い指先に置きます。箱を動かさないようにそっと足を抜いて、柱から箱までの長さを測ってください。
靴のサイズは、0.5ミリ刻みなので、ピッタリ合わない場合は、四捨五入します。
これが、おおまかな「足長」=靴のサイズです。
② 「足囲(そくい)」足の甲で一番幅の広いところの周囲のサイズ
このサイズは、足の厚みに関係しています。
ですから、靴の形を選ぶときの参考になります。
③ 「足幅(そくふく)」ヨコのサイズ
上から見て一番幅の広いところの左右を測ります。
このサイズは、靴の幅に関係しています。
「足囲」と「足幅」は、「ワイズ」といいます。
皆さんがよく見かける記号で「E」とか「EEE」とかあると思いますが、それがワイズです。
ただし、すべての靴にワイズ表記があるわけではありません。
一見幅が狭いのに表示が「EEE」になっている靴があります。よく見ると他の靴より深い形になっていると思います。
甲高の方などに向いています。

 

 

5.靴選びは、デザインより履き心地、自分に合う靴の履き心地を追求する

靴は、足を入れる器です。
そして、足を支える道具です。
サイズを知るということは、自分の足の形を知るということにつながっていきます。
もうひとつ、目安になるものがあります。
それは、ご自分のつま先の形です。
一般的に3つに分かれます。
① エジプト型
親指(第一趾)が一番長いタイプ
② ギリシャ型
第一趾の横の第2趾が長く、第5趾との差がかなりあるタイプ
③ スクエア型
第一趾から第3趾までの長さがほぼ同じで、第5趾との差があまりないタイプ
売り場では、自分の足のサイズと形を目安に靴を選びましょう。
デザインによって履き心地が違います。
自分の足に合うフィット感を育てて、今後の靴選びの指針にしましょう。
靴選びは、妥協せず、自分の足に合ったものを選ぶことが健康にとっても重要になります。

 

 

6.靴には、正しい履き方と脱ぎ方がある

ところで、健康のための靴選びは、履きこなしてこそ効果が発揮されます。
靴はまず、足を入れたら、つま先を少し上げて、かかとでトントンします。
この、「かかとでトントン」は、足を靴のかかとに合わせるための動作です。
どんな靴も履いたらすぐにやってください。
次に、紐靴なら、その状態で少しきつめに締めて行きます。
靴紐は、特に甲の部分をしっかり締めます。
これにより、歩く時、足が靴の中でずれるのを防ぎます。
スニーカーを履いているのに、靴紐を緩めているのは、逆効果です。
最近、チャック付きのスニーカーが人気ですが、高齢になると足腰が硬くなり、脱ぎ履きの時、チャックを外すのを忘れる方がいらっしゃいます。
また、足がむくんでいるからと、チャックを下ろしたまま履いている方も見かけます。
足がむくむ方は、むくみ度合いを考慮に入れて靴を選ぶ必要があります。
足のサイズに合っている靴の目安は、簡単に脱ぎ履き出来ないことです。
ですから、女性でも靴ベラを使うことをおススメします。
靴ベラは、長いものと短いものがあり、家で腰を曲げるのが辛いなら、長めの靴ベラを用意して履いていただくか、椅子を用意して座って脱ぎ履きしていただくことをおススメします。
靴ベラは、慣れるととても便利なものです。
お父さんの靴ベラでも大丈夫です、ぜひ使ってみてください。

 

 

7.より心地よい靴にするインソールの話

サイズを測って靴を買っても、履いていると気になるところが出てくることがあります。
せっかく買ったのに、履かなくなってしまう前に、インソールをお試しください。
インソールは、市販でもたくさんのメーカーが出していますが、何をどこに入れればよいか迷われると思います。
インソールは、足裏にかかる体重の圧を分散する機能があります。
足のアーチの位置に置くことで歩行をサポートします。
靴のかかとが、極端に片方だけ減るという場合は、歩き癖があります。
その場合も、インソールを入れて修正することが出来ます。
また、魚の目などがある場合の衝撃吸収の保護として装着します。
痛くて履けない靴でも、インソールを装着出来る靴であれば、再生出来る可能性があります。

 

 

8.足の使い方で歩き方を変える

サイズの合う靴を揃えたら、次は、正しい歩き方を身につけましょう。
基本の歩行は、足のかかとの外側がまず着地し、第5趾の付け根から第1趾の付け根の順に着地し、最後に第1趾、第2趾、第3趾の付け根の関節をまげながら蹴り出します。
足をあおって歩くから、次に反対側の足が円滑に振り出される事になります。
この歩行を正しく行うためには、靴のかかとが着地の衝撃を吸収でき(芯が入っていて硬い)、蹴り出すまでに足をしっかり支える事が出来る構造になっていることが必要です。
かかとが柔らかい靴や、足を支えられない靴は適していません。そして、5本の足指の関節部分は十分に曲がり、蹴り出しに無理がない事が求められます。
とはいえ、自分の足がどう動いているかを気にしすぎると歩行は崩れます。
正しい歩行は、まず目線は前方をまっすぐ、足で歩こうとせず、お腹で移動する感じともいいましょうか。文字でご説明するのは難しいですが、上半身をぶれないように腰を安定させて股関節から歩き出す感覚です。
また、足の痛みがあったり、バランスが悪いと感じる時は、かかと着地は静かに行いましょう。がんばって大股歩きで歩くのは負荷がかかりすぎるからです。
いずれにしても、足の使い方、足指の使い方、体幹の安定性。
これらをレッスンすることで、歩行は変わって行きます。
余談ですが、歩き方は、心配事があると、「足が重い」と表現されるように、うつむき加減になりがちです。
ストレスがある時こそ、正しい歩き方をしてみましょう。
いつの間にか気分が晴れやかになるかもしれませんよ。

 

 

9.体のバランスを整えるストレッチ&スロトレ

最近は、身体の硬い方が年齢問わず増えています。
私も例外ではありません。
サロンの歩行チェックで、初めて自分の歩行を意識したという方も少なくありません。
意識して歩くと、意外とバランスを取るのが難しかったします。
何もないところで転ぶとか、つまずくという方は、つま先がうまく上がっていない、いわゆるすり足になっているかもしれません。
歩行レッスンで片足立ちをしたり、お腹を意識した歩行を行うと、皆さん結構疲れるとおっしゃいます。
普段意識していない場所に意識を向け、全身でバランスをとって歩く。
モデル歩きとは違いますが、正しい歩き方を身につけると、見た目もきれいな歩き方になります。
外出する時に、街行く人の歩き方を観察して、きれいな歩き方をしている人を参考にイメージしましょう。

 

 

10.フットケアは、一生もの。だから自分に必要な引出しを作っておく

サロンで行うフットケアは、すべてご自宅でも練習が出来るものです。
またストレッチや筋トレは、色々な方が色々な角度で情報提供しているので、サロンでご提供しているものがすべてではありません。
ただそれも、どこを鍛えるか、どこを修正したいのかをわかってやらないと、効果は出にくいと思います。
フットケア、足のお手入れは、一生続きます。
毎日の歯磨きと同じように、習慣にしてしまうことが大切です。
いくつになっても、どんな状態になっても、基本がわかっていれば、応用することが出来るのです。
自分に必要な引出しを多く作っておきましょう。
あなたも、トータルケアで、足の状態をチェックしませんか?
そして、一生もののフットケアを身につけましょう。

 

 

 

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